楽天グループが2024年2月14日に発表した2023年12月期連結決算は
- 売上収益: 2023年12月期は2兆71,315百万円で、前期比で7.8%増加しました。
- 営業利益: 前期比で212,857百万円の減少となり、営業損失は371,612百万円となりました。
- 税引前利益: 217,741百万円の減少。
- 当期利益: 329,535百万円の減少。
- 親会社の所有者に帰属する当期利益: 339,473百万円の減少。
- 当期包括利益合計額: 262,200百万円の減少。
売上高は前期比7.8%増と増収を達成しましたが、営業利益からあとは、全て減少となってしまいました。
さらに、楽天グループは23年12月期の配当を実施しない方針を発表し、連続配当が23年で途絶えてしまいました。
理由としては、資金流出を抑制するためです。楽天は23年12月期の配当を実施しない方針を発表し、財務基盤の安定と株主価値の向上を目指していくからだそうです。
財務、業績ともにマイナスな要素が多い中で株価が上昇し、ストップ高となり
一時、前日比15%高の729.0円まで上昇し、21年3月15日以来の上昇率となりました。
株価上昇の要因としては、携帯事業の営業損益も改善され、赤字幅が縮小したことが評価されたとみられます。
また、市場の注目を集めたのは、同日に発表された楽天モバイルの新規顧客向け1年無料キャンペーンと
「楽天モバイル」データ通信専用eSIM(30GB)利用料無料の優待の影響もあると思います。
この優待は前期もありましたが、今期からは1年間無料の優待になることです。
それも100株から適応されるとの事。
ファンダメンタル
財務データ
項目 | 2023年12月 | 2022年12月 | 2021年12月 |
---|---|---|---|
総資産 (百万円) | 22,625,576 | 20,437,298 | 16,831,221 |
自己資本比率 | 3.70% | 3.98% | 6.50% |
有利子負債 (百万円) | 4,795,173 | 4,912,750 | 3,402,912 |
ROA | -0.99% | -1.95% | -1.32% |
ROE | -41.14% | -39.10% | -15.72% |
tradersWEBさんより引用
評価
- 総資産は前期比10.7%増と増加しているものの、自己資本比率は3.70%と低く、財務健全性に課題がある。
- 収益性の指標であるROAとROEもマイナスとなっており、収益力の向上も課題である。
業績データ
項目 | 2023年12月 | 2023年6月 | 2022年12月 | 2021年12月 | 2020年12月 | 2019年12月 |
---|---|---|---|---|---|---|
業績データ | ||||||
売上高 (百万円) | 2,071,315 | 972,800 | 1,927,878 | 1,681,757 | 1,455,538 | 1,263,932 |
営業利益 (百万円) | -212,857 | -125,087 | -363,892 | -194,726 | -93,849 | 72,745 |
経常利益 (百万円) | -217,741 | -122,625 | -407,894 | -212,630 | -151,016 | -44,558 |
純利益 (百万円) | -339,473 | -139,985 | -372,884 | -133,828 | -114,199 | -31,888 |
1株利益 (円) | - | - | - | - | - | - |
配当 (円) | 0 | 0 | 55 | 55 | 55 | 55 |
tradersWEBさんより引用
評価
- 売上高は前期比22.6%増と増収となったものの、営業損失は212億8570万円と赤字が続いている。
- 今後の業績改善に向けて、収益力の向上と財務体質の強化が求められる。
配当
2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
4.5% | 4.5% | 4.5% | 4.5% | 0 |
評価
連続配当を維持してましたが、2023年で無配になってしまいました。
優待
「楽天モバイル」データ通信専用eSIM(30GB)利用料無料(前期まで)
株式数 | 無料期間 |
---|---|
100株以上 | 3カ月 |
1,000株以上 | 4カ月 |
5,000株以上 | 5カ月 |
10,000株以上 | 6カ月 |
「楽天モバイル」データ通信専用eSIM(30GB)利用料無料(今季より)
株式数 | 無料期間 |
---|---|
100株以上 | 1年 |
評価
100株から1年の無料使用の優待が適応。
来期も続けば100株以上、楽天グループの株を保有していれば毎年無料で通信サービスを利用する事が出来ます。
総合評価
楽天グループは、2023年12月期に売上高と営業損失を大幅に改善しました。特に、インターネットサービスとフィンテックの成長が顕著でした。モバイルは赤字が続いているものの、損失幅は縮小しています。
連続配当を維持していましたが、2023年から無配となってしまいました。
株主優待が10,000株で6カ月無料が、100株から1年無料に。
財務、業績はマイナスでしたが、携帯事業の営業損益も改善され、赤字幅が縮小したことが評価されたとみられた事と
キャンペーンや優待制度の上方修正が株価に好影響を与えて、一時、前日比15%高の729.0円まで上昇し、21年3月15日以来の上昇率となりました。
テクニカル
指標 | 値 |
---|---|
RSI | 65.70% |
ストキャスティクスF | 86.15% |
ストキャスティクスS | 71.48% |
サイコロジカルライン | 41.67% |
ボリュームレシオ | 192.49% |
HV20日 | 65.61 |
2024/2/16/15;00tradersWEBさんより引用

最近まで600円前半の相場で推移していましたが、数日で700円代まで回復。
これから調整が入り、800円の壁を超えるところまでいけるか?といったところですかね。
短期と長期目線で、しばらく楽天のチャートと睨めっこする日が続きそうです。
優待利回り53.33%
(100株保有の場合)
投資金額:100株×731.2円=7万3120円
優待特典:楽天モバイルの利用料1年分(約3万9000円)
優待利回り=3万9000円÷7万3120円×100=53.33%
現在の株価で計算したとしても、53%以上の利回りが期待出来るのは魅力的ですよね。
楽天経済圏は、楽天のサービスに加入することでポイント還元率があがる制度です。
その中でも、楽天モバイルは、4倍のポイント還元率が上がるので
使わないで、一番安い980円で回している人もいるくらいです。
しかし、980円であっても年間11,760円(12,936円(税込)になってしまうので他社に移る人も少なくはありませんでした。
そんなボクも、その一人で他キャリアに乗り換えをしようか検討していました。
しかし、今回の優待制度の上方修正で、1年無料が付いてくるので毎年、(約3万9000円)分の通信費を削減出来るのは大きな無魅力を感じています。他キャリアを契約している人でも、経済圏の還元率を上げるために楽天モバイルを契約することもハードルが下がりました。
今後の展望
- 楽天市場の成長: 楽天は日本国内で最大のオンラインショッピングモールであり、その成長は楽天グループの収益に影響を与えています。楽天市場のさらなる成長が期待されています。
- 楽天モバイルの展開: 楽天はモバイル通信事業にも進出しており、競合他社との競争が激化しています。楽天モバイルの成功は楽天グループの収益に大きく影響するでしょう。
- 海外展開: 楽天は海外市場でも展開しており、特にアジア地域での成長が注目されています。海外でのビジネス展開が成功すれば、楽天グループの収益にプラスの影響を与えることが期待されています。
- 経済状況と市場トレンド: 楽天グループの株価は、経済状況や市場トレンドにも影響されます。景気の回復や新たなテクノロジーの普及など、外部要因にも注意が必要です。
1番は、やはり楽天モバイルの業績に尽きると思います。
連続してマイナスが出ている要因はモバイル事業での赤字が原因になっているのが現実です。
決算での報告もネガティブな内容でしたが、株主優待の改善や、キャンペーンの上方修正なども手伝い、モバイルも少しずつですが、兆しが見えてきた感じがしています。
ボク個人としては、短期と長期どちらでも、楽天の株は持って行こうと思っています。